松阪証券 社長日記
企業人として、三重県で生業を営む者として、日々の発見、気づきなどを気まぐれに書きとめて行きます。
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食料自給率のナゾ その2
前回の記事、「食料自給率のナゾ」の続編です。前回記事をお読みでない方は、こちらからお願いします。

さてさて、それでは参りましょう。

なぜ農林水産省は食料自給率が低いと都合がよいのでしょうか… 推測するに、一度巨大化した組織を縮小するのは容易なことではないからです。つまり必要がなくなってしまった農林水産省の役割を、国民から見た時には必要であるかのごとく装っている、そうです自己の保身のための偽装工作なのです。

例えば農水省役職員一人当たりの事業的農家数を見てみましょう。ちなみに、我が国と比較して食料自給率が高い米国のそれは600人です。それに対して我が国は、皆さん驚くことなかれ、何と7人にすぎないのです。それぞれの事情があるとはいえ、効率的には100倍弱の差があるとわけです。

農業技術通信社の浅川芳裕氏によると…
「そもそも農水省は農業を振興する機関のように見えるかもしれないが、本質は食料供給のための統制組織の名残にすぎない。明治期から独占的な食糧輸入商社のような機能をしてきた。輸入した食料を右から左に動かすだけで大きな利益を生み出せる。カロリーベース自給率が現れた(農林水産省が声高に食料自給率の低さを訴え始めた)時期と、独占権益が失われる自由化交渉のタイミングが重なるのは決して偶然ではない。」と断言していらっしゃいます。

ですから浅川氏は、我が国農業の衰退は国民の錯覚だともおっしゃっています。例えば農産物の生産量について。年々減少していると考えている人が多いかもしれませんが、実際には1960年の4,700万tが2005年には5,000万tへと300万t増産。しかも、農家数はその間に1/6に減少しており、1人当たりの生産量は過去40年あまりで6倍以上に向上しているそうです。

農業大国かどうかを判断する国際的指標「農業GDP」で見てみても、2010年の統計で我が国は堂々の第5位にランクイン。農家1人当たりでも第6位になるとのことです。ランキングだけから判断すると、立派な農業(GDP)大国のレベルとも言えます。ちなみに「農業GDP」とは、農業生産活動を通じて一年間に生み出される付加価値の総額です。

これらの強い農業を支えている要因の一つが品種改良技術ですが、これも世界でトップクラスは間違いありません。イチゴを例に挙げてみると、世界で約600種ある登録品種のうち、180種以上が日本の保有で世界一、シェアは30%以上になります。これにはやはり理由があり、世界の農業研究開発予算のうち、こちらも約30%を我が国が占めているそうです。そう言われてみると、各県にある農業試験場や農業高校、国立大学の農学部など、我が国は農業を学び研究する場に不自由することなどないお国柄です。

本当はこんなに強かった日本の農業。そしてこんなに余剰人員を抱えていた農林水産省。食料自給率40%のわけは、こんなところにあったようです。

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プロフィール

証券人(しょうけんびと)

Author:証券人(しょうけんびと)
約13年間の大和証券勤務を経て、1998年1月松阪証券に入社
2006年4月代表取締役社長就任
現在に至る



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