松阪証券 社長日記
企業人として、三重県で生業を営む者として、日々の発見、気づきなどを気まぐれに書きとめて行きます。
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食料自給率のナゾ
日本の食料自給率はどの程度か、皆さんはご存知でしょうか。はっきりとした数字は把握していないかもしれませんが、「大体の水準は知っている」という方がほとんどだと思います。農林水産省の発表(http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/pdf/22slide.pdf)によると、平成22年度の食料自給率は39パーセント。ただし、これは「カロリーベース」と明記されており、そのお隣には「生産額ベース」の69パーセントという、あまり国民の知らない高い数値が併記されています。この二つの数値、いったいどちらを信頼すればよいのか、あまりにもかけ離れた数値だけに、その意味や計算方法を調べてみることにしました。

まずは私達が慣れ親しんだ4割程度、「カロリーベース」から。農林水産省のHPによると…

「日本食品標準成分表2010」に基づき、重量を供給熱量に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。これは、1人・1日当たり国産供給熱量を1人・1日当たり供給熱量で除したものに相当。
カロリーベース総合食料自給率(平成22年度)=1人1日当たり国産供給熱量(946kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,458kcal)=39%

続きまして私たちのあまり知らない「生産額ベース」の方は…

「農業物価統計の農家庭先価格等」に基づき、重量を金額に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。これは、食料の国内生産額を食料の国内消費仕向額で除したものに相当。
生産額ベース総合食料自給率(平成22年度)=食料の国内生産額(9.7兆円)/食料の国内消費仕向額(14.1兆円)=69%

ここで、もう一度「カロリーベース」に戻ります。計算式の分母の部分に注目してみましょう。1人1日当たり供給熱量(2,458kcal)の計算方法は、下記の通りとなります。

1人1日当たり供給熱量(2,458kcal)=国産供給カロリー+輸入供給カロリー+ロス廃棄カロリー

さて、既に皆さんはお気づきだと思いますが、計算式の最後に出てくる≪ロス廃棄カロリー≫とは何でしょうか?現実の食卓では「小売店の店頭にならびながら」「食卓にのぼりながら」廃棄されてしまう食材量(カロリー)が相当数にのぼります。そうです、廃棄された食品が多ければ多いほど分母が大きくなる、すなわち食料自給率が低くなるような仕組みとなっているのです。

実際に、近年廃棄されている食材は年間900万tに及ぶそうで、食料自給率の計算の分母となる供給カロリーは2,458kcalですが、日本人が一日に摂取する平均カロリーは1,800kcalほどですから、それ以外の650kcalは食べられることなく廃棄されています。分母を摂取カロリーとして食料自給率を「国民1人1日当たりの国産供給カロリー÷国民1人1日当たりの供給カロリー」として計算しなおすと、日本の食料自給率は50%以上になります。果たして日本の食料自給率が国際的に本当に低いのか… 疑問が残る結果となりました。

続きまして主要先進国との比較について、農水省が公表しているグラフをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/pdf/2007foreign-country-suii.pdf

グラフにある各国の自給率は、日本の農水省が独自に推計したものです。日本を除く海外諸国はカロリーベース総合食料自給率の計算をしていないとか。とある農業関係の雑誌がこの計算方法について農水省に取材したところ、「食料安全保障の機密上出せない」との回答があったそうです。

数字のマジックならぬ農林水産省のマジック、これで「自給率を上げることが我々の使命である」という農林水産省の公然としたミッションが出来上がりました。農林水産省は、我が国の食料自給率が低い方が都合がいいわけです。断言はできませんが、そうとしか考えられない結果となりました。次回以降で、その辺りを更に掘り下げてみたいと思います。

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プロフィール

証券人(しょうけんびと)

Author:証券人(しょうけんびと)
約13年間の大和証券勤務を経て、1998年1月松阪証券に入社
2006年4月代表取締役社長就任
現在に至る



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