松阪証券 社長日記
企業人として、三重県で生業を営む者として、日々の発見、気づきなどを気まぐれに書きとめて行きます。
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日経新聞に一言 14面の記事
人にはそれぞれ果たすべき役割があり、責任があります。それぞれがその役割、責任を全うしてこそ、この世の中は正常に機能するといっても過言ではないでしょう。ですから、総理大臣や社長、教育者やトップアスリートなどは、常日頃から自らの言動に注意を払い、時として私心を表さず、個人の人格を超越した役割を演ずることが求められます。一個人としては同情できることも、その地位が高ければ高いほど許されなくなります。地位そのものが世の中に及ぼす影響が大きければ大きいほど、それぞれの人格は軽視される運命にあるのです。

そういう意味では、メディアの役割、責任もまた重要です。テレビにしろ、新聞にしろ、不特定多数の国民が視聴し購読しているわけですから、悪意があれば世論を操作することも可能です。また、誤った方向や偏った方向に世論を導いてしまう危険性も孕んでいます。ですから、総理大臣や社長と同様、記事を書く記者や編集者の役割、責任は非常に重いはずです。

そろそろ本題に。本日(1/20)、日経新聞の第14面(投資・財務欄)に、ヘラクレス市場上場のASSET(不動産投資)が、2006年に発行したCBの償還額を半分に減額するという記事が掲載されています。内容は忠実に事実を報じるもので、担当記者には何の悪意もないと信じます(小生は23年間、日経新聞の購読者です!!)。

しかし、小生たち金融業に従事する者だけが、日経新聞の購読者ではないはず。その他の一般の読者(個人投資家)はこの記事をどのように受取るでしょうか。小生が察するに、まずCBという金融商品への不信感を抱くはずです。少なくとも、個人的な資金運用の対象としてCB投資を検討する場合、慎重になるでしょう。もしかすると、国債を含む債券そのものへの不信感に発展する可能性もあります。先ほども述べましたが、記事は事実です。しかし、それは果たしそれは真実でしょうか。答えは「否」です!!

問題のCBは、ユーロ市場で発行された私募債です。もともと一般投資家を対象に発行されたものではなく、特定の投資家を対象とした、性質的にはローンのようなものです。ですから、発行会社が破綻もしていないのに社債債権者集会の開催が可能なのであり、償還のリスケジュールや償還額の減額が可能なのです。不特定多数が投資する公募債では、非現実的な話しです。

さて、担当記者は、読者がこの記事をどう受取るか、どのように解釈するか、誤解を招くことはないのか、細心の注意を払って記述したのでしょうか。もしそうなのであれば、明らかに勉強不足です。今、欧米発の金融不況に、世界の金融は麻痺寸前です。読者の誤解を招きかねないこの記事は、このピンチに通貨の供給者として期待すべき、個人投資家の投資行動を萎縮させる可能性が大きく、非常に危険です。それとも担当記者は、金融麻痺をさらに悪化させることを目的にこの記事を書いたのでしょうか…

紙面の都合で記述が省略されたのかもしれませんから、担当記者だけを責めるべきではありませんが、新聞は自らの影響力をよく自覚し、記事をよく精査するべきです。当該CBは私募債であり、一般的な公募の上場CBとは性質が異なることを、一言付け加えて欲しかった。事実を報じているわけですから「百害あって一利なし」とまでは言いませんが、「百害あって一利しかなし」ですね。

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プロフィール

証券人(しょうけんびと)

Author:証券人(しょうけんびと)
約13年間の大和証券勤務を経て、1998年1月松阪証券に入社
2006年4月代表取締役社長就任
現在に至る



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